社会性が育たない原因とは 2
経験を積んだ臨床家は、その種の記述が一面の真理を示しているに過ぎないことを承知していながら、そう書いています。
理念的に考えられることに比べて、目の前の一人の人間の姿はあまりに複雑です。
・・・したがって、因果論的記述はあくまでも理念的なものであり、個々人の実体そのものを正しく説明するものではないことを、銘記しておく必要があると思われるのです。
そのように理念と臨床的実体の関係を押さえたうえでないと、誤解される恐れがあるのです。
では社会性が育たない理由について・・・
そう断ったうえで、あらためて社会性が育たない理由を図式的に考えてみると次のようになるでしょう。
つまり、自発的になされた自己表現がそのまま受け取られず、他者の思惑によって歪められたために、自己イメージと現実の経験との乖離が生じ、その「本当ではない」という感覚は、自己不確実感ひいては不安を喚起するにいたるものです。
そのような状態に対して他者からの働きかけや他者との交流の必要性が生ずると、容易に、不安感が増大し、安全感が脅かされます。