昔の道具ではない
いつかテレビで炭おこしの競争をさせた番組がありました。
若い娘や中年の女性は四苦八苦、果ては煙にむせるだけで一向に火はおこりません。
ところが、年輩の女性は慣れた手付きで、またたく間に炭は真赤になったのです。
スイッチひとつ、コックひとつで点火わけなし、火力調節も思いのまま、こんな便利な時代だから当然といえば当然の結果でしたが、それにしても年輩の女性は見事でしたね。
若い人たちは完敗という一幕でした。
でも、考えてみれば年輩の女性がえらいわけでも、若、中年の女性が駄目なわけでもないでしょう。
年輩の女性にとっては、炭おこしは日常茶飯事であっただけのこと。
むしろ、炭をおこす道具や、その手順、作業などを「古い」ということだけで見向きもさせなくしてしまい、「昔の道具」として資料室に展示するような「現代」という怪物にこそ、問題があるのです。
良い物、すばらしいものは、時代を越えていることを、今こそ心にきざむべきですよね。